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62 ◇元夫が帰還したその後で ⑥

Author: 設樂理沙
last update publish date: 2026-02-05 23:14:11

 元夫はどうしても単身赴任したかった。

 私はどうしても行ってほしくなかった。

 私たちの元に居て欲しかった。

 だけど、私は好きな夫《ひと》の邪魔もしたくはなかった。

 どうしようもないじゃないの。

 だから別れた。

 異性関係の心配ばかりしているような生活は嫌だった。

          ◇ ◇ ◇ ◇

 俺はあっち《単身赴任先》でもやらかして、由宇子はきっと

自分の選択は間違ってなかったと改めて思ったことだろう。

 自分としては微塵も浮気心はなかったとの想いが、胸の内にあるが。

 微塵も?

 自分の胸に今一度問うてみる。

 異性と同じ部屋にいることに対する心地よさは?

 ゼロだったとは言いがたいかも。

 しようがないじゃないか。

 若くて綺麗な同僚と1つ同じ部屋にいたのだ、少しくらいうきうきした

気持ちになっても。

 だが由宇子はそういうのも嫌だったのだろう。

 まさしく浮かれた気持ちさえも。

 俺の気持ちは全部、由宇子に向けていて欲しかったということ。

 それは裏返して突き詰めてみれば、俺は由宇子からそれほど

愛されてたってことだ。

 今なら分かる。

 こちらに帰って来て
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     元夫はどうしても単身赴任したかった。 私はどうしても行ってほしくなかった。 私たちの元に居て欲しかった。 だけど、私は好きな夫《ひと》の邪魔もしたくはなかった。 どうしようもないじゃないの。 だから別れた。 異性関係の心配ばかりしているような生活は嫌だった。          ◇ ◇ ◇ ◇  俺はあっち《単身赴任先》でもやらかして、由宇子はきっと自分の選択は間違ってなかったと改めて思ったことだろう。 自分としては微塵も浮気心はなかったとの想いが、胸の内にあるが。 微塵も? 自分の胸に今一度問うてみる。 異性と同じ部屋にいることに対する心地よさは? ゼロだったとは言いがたいかも。 しようがないじゃないか。 若くて綺麗な同僚と1つ同じ部屋にいたのだ、少しくらいうきうきした気持ちになっても。 だが由宇子はそういうのも嫌だったのだろう。 まさしく浮かれた気持ちさえも。 俺の気持ちは全部、由宇子に向けていて欲しかったということ。 それは裏返して突き詰めてみれば、俺は由宇子からそれほど愛されてたってことだ。 今なら分かる。 こちらに帰って来て事情を知った同僚から言われた言葉。*「奥さんも付いて行ければよかったのにね」 当時俺は逆にそこには拘っていなかった。 むしろ喜んでた節があるくらいだ。 思い切り独身のように仕事ができるって。 俺って詰んでたんだな。

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